本記事は、2021年1月11日に加筆・修正しました。

これは本当にビックリしました。ある方のtwitterですが、まさに「同じ状況」が弊塾でもありました。
最終的に、その方は塾を閉めるという決断をされたようですが(実は、この決断は意外と悪くない。)
今後、同じような状況は、全国で多発すると考えられます。

目次

まずは、ここから始まる

生徒が激減する最初の兆候は、卒業した生徒数の補充が出来なくなるところから始まります。

「このタイミングでこの人数くらいは入ってくる。」という塾長先生の読み通りには、ならなくなります。

顕著に現れるのが、新中1生です。そして4月以降の中3生の入塾も「思ったほど」なくなります。

12月には、高校生は大学への推薦入試の結果もあり、抜ける数は、把握されていると思いますが、
その抜けた補充の対処が後手後手に回ってしまうと、もうどうしようもなくなります。

実際には、この大減少が現れる数年前には兆候は出ているのですが、
(そして多くの場合、塾長先生は気付いてもいる。)
その年、どうにかなってしまうと、そのあとも、どうにかなると思ってしまって、
結果、後手後手になるという流れです。
こうなると、後で取り返しがつきません。

次は、今までよりも学力の低い生徒が集まりだす。

次に起きる現象は、新しく入ってきた生徒の学力が、今までの生徒よりも低いということです。

これは、今までとは、違う客層が来ると思って頂いても結構です。

私の友人の塾の近くに大手塾が進出しました。そして数年この状況が続きました。今年の中1、小6がやっと過去最高の学力に戻ったみたいなので、大手塾との戦いに勝ったと言えるかと思います。

年末あたりから、駆け込み寺のように集まったりしますが、(特に中3生)この時期に来る生徒は、高校部への接続も難しいですし、手間暇のかかる生徒が来るわけですので、(しかも滞在期間が短い。)それなりに仕事量は増えながらも、意外と儲からないという状況になってきます。

この段階になると、中学⇒高校への接続率が悪くなり、逆に高校部から新規生徒が来るようになります。
つまり結果として、生徒のLTVが落ちていく状況になります。

私の経験では、これは、かなりヤバい状況です。もし潰せるのであれば、潰すという選択もありと思います。
家業であれば潰すことは無理ですが、事業としてやっているなら、潰すのはありというか正解かも知れません。

生徒数激減決定のパターンです。

対処を間違いツモってしまう。

「ヤバい」と思ってた塾長先生は、手を打ちます。

しかし、その打った手が原因で失敗へまっしぐら・・・そんな例を多く見てきました。
例えば、中学生がメインの塾において、

1.これからは高校生だ!そうだ安くなっているし、映像だ!・・と映像を入れてみた。
2.これからは小学生だ!そろばん、習字だ!・・と習い事に走った。

これらの塾は、失敗する傾向にあります。

そろばん、習字を入れても、塾としてはダメになったところが多い気がします。
塾と習い事は、あまり親和性が高くないというのが私の結論です。

ただし、塾の比重を下げて、習い事に(ほぼ100%)シフトした塾は、
儲かっているところもあります。これは主力商品を入れ替えただけです。

一方、高校生が欲しくで映像を入れた塾も、東進やマナビスなどTVCMをしてくれるような大手を
入れるならまだしも、安い映像だとプラスにはなりません。

ともかく塾長先生の「トッピング思考」がうまく行かなくなる原因です。

深夜2時を過ぎたので、残りは後日に・・・(-_-;;

ここから加筆部分です。

記事を書いた2018年と異なり、現在(2021年)は、あまりそろばんは聞かなくなりました。
時代としては、管理系アプリが全盛になっています。DX(デジタルトランスメーション)と言ってますが、
正確な定義ではデジタルを使ってのビジネスモデルの再構築をそもそもDXは指し示す言葉ですので、
単純にデジタル商材を入れているだけです。そして予想通り、多くの塾さんが1年で辞めています。

もし今、生徒の入塾のタイミングが遅くなった。新中1生が3月、4月に入って来ないというのであれば、
ビジネスモデルそのものの転換をお薦めします。

生徒数が減るのは、貴塾だけの問題ではなく少子化や、それに伴う競争率の低下、ひいてはニーズの低下によるものも大きいのです。
そこに固執しても仕方ありません。

これからの塾ビジネスは、少子化という子供が少なくなることを前提として組み立てていく必要があります。
そこにデジタルは不要です。

少人数でも儲かるように固定費を見直す、単価を見直す。
その上で、ターゲットを絞る。
 
これらの作業がまず第一です。2022年からの日本経済を考えると、

生徒数30名で1000万円の売り上げが上がるモデルを構築すること。
バイトや社員は、なるべく入れない。完全に儲かることが決まった場合のみ最低限入れる。
教材会社の勧めてくる映像や管理システムは全て却下。
 
これを徹底していないと大変なことになります。私たちのビジネスは、単純です。
欲しい人に欲しい物を売るだけです。
欲しくない人に無理やり映像を売り込むなどもってのほかですし(そもそもYouTubeで十分)
それ以上に目の前にいる先生にしてもらいたいことが沢山あります。
ここを手を抜くと本当に立ち上がれません。戦略的な縮小と戦略的な事業転換が必要です。