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2010年全国学習塾協会のデータより

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2010年に全国学習塾協会がまとめたデータがあります。

http://www.jja.or.jp/information/201005chousa/jigyosha.pdf

データを見て頂ければ分かると思いますので、特にこのデータを直接、解説をするようなことは
しませんが、これから私が感じたことを中心に、塾講師としての必要なスキルとは何か?
どのようにすれば、そのスキルが伸びるのか?問題点は何か?

ということを考えていきたいと思います。

個別指導塾と集団指導塾に分けてデータが掲載されていますが、
求められるスキルは、共に同じで、

バイト講師に求められるスキル

「授業の分かりやすさ」
「塾生の理解度の把握」
「塾生とのコミュニケーション(意思疎通や会話)」

となっています。集団授業の場合は、この上に、クラス運営能力が求められます。

これを見ると、結局、コミュニケーション能力が高くないと塾講師は務まらないという
ことになります。塾生の理解度を測るにしても、分かりやすい授業にしても、基本には、
生徒とのコミュニケーションが必要になるからです。

しかし、バイト教育の内容を見ると、この部分は、まったく行われていません。

一番大切だと思っている「キモ」を、手を打たず仕事につかせていることが分かります。

つまり(経営的な側面は除いた)学習塾の善し悪しは、学生本来の能力に頼っているのです。
これだと学生からすれば、塾で「何かのスキル」が身に付くわけもありません。
塾側は、能力の高いバイトが取りづらい状況になっていること、バイトが定着しないことなどを
問題にしていますが、やはり学生の立場からして給料や、待遇だけでなく、何かのスキルが身に付く
ような仕事でないと魅力的とはならないということだろうと思われます。

以前は、学習塾や家庭教師のバイトは、割りのいいバイトだったのですが、今ではそれもなくなり、
ブラックとさえ言われるようになってしまいました。

それはバイトを、教育もせず、(残業代や授業以外の賃金など)お金も払わず、しかし担任だからと
責任だけを押し付ける(教育ということを楯に生徒の奴隷と塾の奴隷になることを命じる)ところが
多くなったきたからでしょう。

人の問題

そもそも学習塾や習い事は、全て同じビジネスモデル。

地域戦の労働集約型。労働者の質が(実質的な)価格を握ります。集客方法も基本同じ。
そしてお客が(最終的に)反応する部分も同じ。人です。

そのため、塾は、「良い講師」をどうやって集めるか?という方向に向きます。
先日も相談されたのですが、塾講師を募集するマッチングサイトを立ち上げて・・という塾も最近は、
多くなっています。

一方、バイト教育のプログラムを持っている塾もあります。(大手に多い)
また(FC塾に多いのですが)バイトを辞めさせないように飲み会だけでなく、例えば成人式の際の
お祝いとか細かい指示をオーナー教え、バイトを4年間勤めさせるような技術を売り物にしている
ところもあります。

しかし、多くの塾のバイト教育が、先輩の授業を見るとか、授業会議への出席となっています。

そうすると内部に経験とスキルが蓄積されている大手に軍配が上がります。
本来、中小塾の場合、上記においての蓄積が少ないわけですので、外部研修などを、使うことが
有効だと思われますが、その割合は非常に低くなっています。

塾も教育にはプロを使う

特に「コミュニケーション能力」という、かなりあいまいなもの教育するのであれば、その道の
プロに任せた方がよろしかろうと思います。

学習塾は、教育にはお金がかかるということを体現している存在であるにもかかわらず、
自社内のバイトの教育には、あまりお金をかけていないことが透けて見えます。

中小塾の場合、バイト研修に多額の金額を費やしてでも、高い月謝を取れる塾にするということが
王道のような気がしますが、バイトの質を自社で高められないため、「再現性」がなく、校舎間の
品質が担保されないところが多くなってきます。

今、バイトが悲鳴を上げているのは、大して訓練もされないのに、それでいて多大な結果と責任を
押し付けられるからです。もちろん、給与の件も含めてです。

高い月謝を実現するには、当たり前ですが、塾も高い教育費をスタッフにつぎ込むしかないのです。

実は、今、個別指導を中心として経営が悪化している真の原因は、今まで「ボロ儲け」をしていた
まさにボロなのに儲けていた塾がバレてきたということなのです。

そのため優良なコンサル会社は、決定権者である塾長へのセミナー以上に、塾の質を直接上げる
教室長やバイトへの研修に力を入れています。早い話、バイト研修にお金を出す塾長のいる塾なら
伸びしろが見られるということでもあります。

自社のビジネスモデルを変える基本は、お金の使い方を変えることが第一です。

お金をどこに、どのくらい使うかが(投資)、明日を決定づけることになります。

バイト講師が、憧れるくらいの魅力ある塾になるための投資をする。
(自塾の生徒・保護者に関わる)全ての他人に投資をする。というマインドが大切です。