目次

ごあいさつ

いよいよ全国的に学校再開となりました。ただ縁のある北九州の学校で
クラスターが発生してるようで心配しております。

さて、こちらの各学校では期末テストの予定も発表されました。
このタイミングで新規生を取ることを考えましたが、中には、期末を無くした
学校もあります。かなり学校間でバラつきがありますね。

今回の件では、小・中学校よりも高校の方が対策に焦りを感じているようです。
また小・中学校も、規模の小さい学校は対策がきちん取れていたのに対し、人数
の多い学校は、無策に近かったようで保護者からは、結構、言われているようです。
(ただ人数が多いとオンラインは厳しのは分かりますが。)

これから夏期講習の設計を考える時期になります。
今年は、かなり厳しい気がします。

3年後の状況を考えた塾運営

珍しく今回、「塾と教育」に記事を書かせて頂きました。
コロナ対策におけるオンライン教育に関してです。
原稿は、原稿用紙6枚くらいと言われたのですが、気が付くと
10枚程度になっていて、泣く泣く削った部分もあります。
世界のオンライン教育事情の部分を削ったのですが、今後の流れとして
日本もそうなるな?との予想で調査して書きました。
しかし今の段階では早いとの判断から削りました。
またこれは、何かの際にこの誌面で書きたいと思います。

オンライン教育の流れとしては、動画配信系とPDF(プリント)による添削系が
主な流れです。理由としてZOOMでの対面授業だと、スケーラビリティがかからない
ことが挙げられます。ただネットを使ってマンツーマンの授業であれば、高価な商品
でないとあまり意味がありません。

またアンケートによると約2割の生徒が今のままオンライン指導を望んでいます。
私は、この場合は、かなり危険だと判断しています。退塾予備軍となる可能性大です。
そのため私の友人は、オンライン指導は、月謝を5000円アップしましたが、それでも
1名残ったそうです。手間暇を考えると、オンライン指導は、個人塾ではかなり面倒な
ことになります。

一方で、オンラインをやめることは出来ませんので、オンラインとの付き合い方を
考慮しながら続けていく必要があります。

しかし新型コロナの件で、塾の仕組みが大きく変わったことは事実です。
特に大手塾は、3密を避けるという意味でオンラインにしようとしても、生徒数
が多いため、大変だったはずです。

大手塾の場合、生徒数が多いため、基本「授業配信系」になったことが災いしました。
またエース級の講師を出したとしても、他校舎の生徒からすれば、誰?ということで
誰だかわからない先生の授業を見ても・・・ということにも。
結果、各教室毎に配信をする羽目になり、手間暇はかかるわ(しかもそれでお金は出ない)
ネット環境は悪くなるわで、大変だったと思われます。

学習塾は、紙と鉛筆があれば出来る商売ですが、どんどん設備産業化していきました。

結果として

〇一等地の大きな建物で
〇広くキレイな教室に
〇多くの生徒を入れ

結果、3密を実践することで、学校とは違う「晴れの舞台」を用意していたのが
現実です。出来るように「なりそう」、合格出来る「気」がするという舞台装置
です。

しかし3密がダメと言われ、このビジネスモデルが崩壊しました。

オンラインでの指導になると、大勢に一斉に同じ行動をさせるということが出来
ません。そのため、多くの一斉授業の塾が、いつもの指導力?が発揮できず、
右往左往したのが現実です。しかしながら生徒数の絞られている個人塾では、案
外すんなりとオンライン化に成功しました。これは、個人塾には、舞台装置はあ
りませんが、その分、生徒との距離が近いため、1対1のコミュニケーションが
(ま、くだらない話も含め(^-^;;)多かったことが幸いしたわけです。

これは授業配信でバレた1つの例です。授業がうまいと言われる先生の多くは、
集団をコントロールする術に長けているだけで、実際に画面の向こうの生徒に
論理的に伝える術に長けているわけではなかったということです。
また表情1つ取っても、大きく動かさないといけませんし、先生からしても勝手が
違うということで、かなりシンドかったと予想されます。

今後、塾の「裏」の役割が大きく変わってきます。指導とか教えるということで
あれば、月2000円のスタディサプリで十分になっていきます。3密を避けた仕組
みは、そんなに簡単に出来ませんし、儲けの仕組みすら変える必要があります。




例えば、夏期合宿は塾からすれば、ドル箱ですが今年は出来ない塾が多いでしょう。
また今年は、AO入試を多く取り入れしかも面談をZOOMで行うという大学も
出てきています。これが固定化されると塾としても対策を考えなくてはなりません。

今までのように知識を教え、生徒の頑張りでその知識を固定化することで科挙の
ようなペーパーテストに合格するという仕組みそのものが既に過去のものになる
可能性があります。

私の塾では、現在、保護者面談中ですが、かなりの保護者の方がAOを多少なり
とも考えていますし、高校側も珍しく?そこに力を入れようとしています。

また大学の選び方も変わってきて、以前のような国立一本がなくなり、かなりの
生徒が私立大も考えるように言われています。(滑り止めという意味ではなく)

そうなると五科目まんべんなく教える塾よりも科目に特化した塾が伸びてきます。

私は、今回の件を起点とした今後の新しい流れを予想しながら、3年後には
まったく新しい塾を作るつもりで動く時期だと考えています。(今回の借金も、
3年間はそのままなので勝負しやすいですしね。)

私が考える新たなキーワードとしては、

〇オンライン
〇AO
〇海外進学
〇ポートフォリオ(ただし2023-4年くらいから?)
〇体験学習
〇粘着性

などです。つまり知識を覚え、紙に書き写すことよりも、知識をどう実践で使う
か、その生徒独自の意見とそのバックボーンなどが問われる気がしています。

今は、トーンダウンしてますが入試改革は行われると思っています。
特に何を持って「賢い」というかという定義を変えようというわけですので
塾へのインパクトは意外と大きい気がします。

当然、そうなるとお金の無い生徒は不利だという意見も出てきますが、大学側か
らすれば、お金のある、無しでなく自学に向いた生徒を取るだけですので、今ま
で通りの制度も一部、残すところは残すでしょうが。

そうなると「教える」という事よりも、生徒の合格を実現させるためのプロデュ
ーサーのような役割に変わっていく気がしています。

そのため知識の説明などは、安価なネットに取って代わられるのではないかとの
予想です。

もっと言えば、「学校で出来ないことをする」のが塾になっていくということで
す。今は、学校で「さらにうまくやる」ために存在していますから、大転換です。

塾としても、特に個人塾では全ては難しいですので、様々な組織や会社と提携す
るしかありません。そのため生徒の「囲い込み」は難しくなります。

今までのような運営方法が見直される時期かも知れません。
つまり、サブスクの仕組みで、しかも特別講習というトッピングで儲けていた
仕組みを見直し、儲けのポイントをズラしておかなければならないということで
す。

私の塾は、そもそも合宿系・イベント系の塾ですが現在、どういう方向に行くか
は悩んでいます。特に突飛な方向に行けば行くほど遠方の生徒も取らざるを得な
くなりますので、そもそも塾の時間帯も考えなければなりません。
(土、日のみの塾とか出てきそうですね。)

今回の件は、本当にキッカケの1つです。

そもそもコロナの前から厳しいかった塾は、転換期だと思って下さい。
補助金、給付金は1回きりですので、ずっともらえるわけでもありませんので、
このタイミングで先を考えた運営を今から実験しておくことをお薦めします。

編集後記

【ご連絡】

千樹会メンバーの方には、小林先生からメールが届いていると思います。
今週末にZOOM千樹会にて、夏期講習の設計をテーマに話し合いたいと思います
ので、よろしくお願いします。なお、時間等は、小林先生に連絡お願いします。
都合の悪い方は、先に私にご連絡頂ければ、まとめたものを後で送付します。

【編集後記】

いや、子供たちが普通に学校に行ってますので朝の時間に仕事が出来ます。
これは嬉しい。(^-^; 現在、かなり仕事がはかどっています。特にマニュアル
の作成は、色々と考えることも多いので、ガンガン進みます。

夏期講習に関しては、各地区で意識の差が激しいため一律の仕組みでは厳しい
との判断から、今年は変わった方法で実施することにしています。
特にコロナが出た地区と出ていない地区では、本当に意識の差が大きい。
夏休みの短縮以上にこれに対応する方が頭を使います。多店舗のところは、か
なり頭を使うことになりますが、大事なことは、各地区の生徒それぞれ悩みが
違いますので、その悩みにフォーカスすることです。こんな設計でOKなんて
ことはありません。自塾の生徒、地域の空気を読むことです。