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ごあいさつ

本年も読者の皆さまには大変お世話になりました。コロナ禍という特殊事情の中
多くの学習塾さんが、知恵を絞り多くの生徒たちを救ってきたことは、今後の民
間教育において意義のあることだったと思います。

2021年がどのような年になるかわかりませんが、政府からの補助金は、もう出な
い状況ですので、本格的に塾を再構築していく年になるでしょう。

また塾業界も再編が進みそうです。M&A、教室の統廃合が増えるでしょうし、
エリアからの全撤退というニュースも多くみられるのでは?と考えています。

今年、最後の学習塾ニュースです。

2021年に向けての生徒獲得活動

2021年1月の松山千樹会のテーマでもありますが、今年は、国の補助でどうにか
なった部分が多いのですが、それまでに来年度の生徒獲得について、真剣に考え
ておく必要があります。

今年を振り返ると、伸びている分野は、

〇高校生
〇幼児
〇小学生のハイレベルな非受験

です。

この中に、公立中学生を対象とした公立高校受験は入ってないですし、中学受験
も伸びているとまでは言えません。少しづつ顧客のニーズが変わってきているの
かもしれませんね。

また今年、顕著になったのは、

〇東京の常識は、地方の非常識

ということ。東京と地方は、もはや別の国です。この言葉は、塾に無関係なコン
サルタントや社長さんなど多くの方から聞きましたが、地方で成功している会社
は、東京やコンサルの逆をやっているところ・・とハッキリ言ってます。

私が知る限りにおいても、トレンドはまったく違います。自分がどこに住んで、
どんな仕事をして、どんな環境で、それを考えたか?ということを理解していな
い若いコンサルタントなどに会うと、後でちょこっと話をします。(^-^;;
(クライアントの会社を精密に分析することすら出来ない輩が多い。本とネット
の受け売りだけですね。)

他との違いをはっきりさせるためには、商品を変えるのが地方では一番早いので
す。(ただしすぐに売り上げに結びつくことは少ないでしょうが。)

また生徒を獲得する上において、ターゲット層を変える際に、商品を変えずに、
今までの層より下の層に移っていくことも最近、よく見ます。特に都市部は、競
争が激しいからか、上位の生徒や優秀な生徒が多いと言われる塾ですら、中間層
以下を取ってないと生徒数が確保出来ないのが現実です。

中間層以下に訴求する際には、皆さん同じキーワードを使います。それは、

〇逆転

という言葉です。この言葉は、中間層以下には響きますが、上位層には響きませ
ん。駆け込み需要を喚起するには良い言葉ですが、その時点で塾の生徒の層は、
下がる可能性があると思ってよいでしょう。

また地方と都市部での生徒募集の方法論も大きく変わってきています。
都市部では、塾〇〇のようなネットサービスが幅を利かせますが、地方だとネッ
トは口コミの補強ですので、まずはリアルに口コミを保護者の方に仕掛けていか
なくてはなりません。紹介してくれた保護者の信用で、入塾に至るという例がほ
とんどです。そのため紹介以外は断るというのも手だと考えています。(それな
ら入塾テストも必要ないでしょうし。)

生徒・保護者の生活エリアと距離の近い塾の場合、どこまで地域にかわいがられ
るか?ということがテーマになります。商工会や同友会など地元の団体での活動
なども地方では非常に有効です。

さて都市部の塾といえば、私の知り合いの先生は、この1年で生徒数が2.5倍にな
りました。中学生までの昔ながらの塾です。都市部の場合、個別指導が幅を利か
せているため、塾長一人で昔ながらに指導(授業)する塾というのは、それなり
の層がきます。高校生まで取ってしまうと運営が一人では難しいでしょうが、母
集団がある中で、一定層だけをターゲットにした方が、都市部の塾だと特徴も出
て儲かります。

高校生の個別指導は、まだ伸びていますが個人塾であれば、早急に特徴
を出しておくことをお勧めします。個別指導は特徴の出し難い形態です。そもそ
も大学生が講師をしますし、最近では映像が中心になってますので、特に難しい
ものです。そのため運営面での強化に努める塾さんが多いのですが、個人塾では
運営面を強化しても程度の問題がありますので、特徴を出した個別指導を模索す
ることになろうと思います。簡単なのは、客での差別化でしょうか?〇〇大のみ
とか女子専門とか、最近は、様々なカテゴリで作ってますね。

2021年は、今年の反動がどこまで出るかが気になります。既にもらったお金も使
い果たしているでしょうし、全国的に競争倍率も下がっています。今後10年で中
学生を中心とした塾が存在出来るのは、都市部とせいぜい県庁所在地くらいか?
と考えています。

私の塾では、2021年に向けて、とにかく

〇新しい顧客が取れるもの(新商品)

を作るために、イベントの形で何が当たるか分からないのでとにかくずっとやり
続けることを必須としています。新商品を作ることは、次の時代の定番を作るこ
とでもありますので、ちょうど時代が変わったこのタイミングが一番リリースし
やすいという思惑もあります。

特に地方では、まだまだ未開拓の分野が多いはずです。最初は少人数でも、それ
が自塾の旗になる可能性もあります。2021年は、新しい旗を立てるつもりでお互
い頑張りましょう。2020年、1年間ありがとうございました。

編集後記

最近は、毎日、何かの工事?をしています。さすがに屋根は無理ですが、この見
積もりが高い。(@_@;; 工務店をすることは決定です。

来年の目標は、塾では、生徒数もありますが、もう少し管理をうまくしてなるべ
く自分の時間を確保することです。毎年のことですが、高校部をやっていると年
末・年始がありませんし。今年の大みそか、そして元旦もたぶん、塾を開けるで
しょうね。

それでは、皆さま、よいお年を!