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■ 学習塾ニュース( Cram school NEWS )               Vol.318(2016/12/03)
  地域No.1学習塾へ   http://j-keiei.com 発行 学習塾経営研究会
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今回の原稿は、1週間以上も寝かせてしまいました。11月中に、決算が1社、
助成金締め切りが2件、締めが1社とかなりシンドイ状況でありました。(^-^;;

しかしもう12月。今年の師走は、11月以上に走ることはないと思いますが。

 本メルマガは、まぐまぐ版です。

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━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━Contents━
タイトル       ◆ 学習塾の儲からない理由 ◆
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★1.まずは、現状分析をしてみる。

 先日、社内で会議をしました。その際、教室長に先にデータを提出してもらい
 ました。多くの場合、現場は「勘と感覚」です。一人のお客に関しては、それ
 でもいいのでしょうが、大きなトレンドを見るような場合には、どうしてもデ
 ータが必要です。

 今回のデータは、簡単なもの。各校舎の小・中・高毎の売り上げだけです。

 ※イメージ

┌───┬────┬────┬────┬─────┐
│        │ A校    │ B校舎  │ C校舎  │   計  │
│   │     │    │    │     │
│ 小 │ 〇〇円 │ 〇〇円 │ 〇〇円 │ 〇〇円 │
│   │    │    │        │     │
│ 中 │ 〇〇円 │ 〇〇円 │ 〇〇円 │ 〇〇円 │
│   │    │    │    │     │
│ 高 │ 〇〇円 │ 〇〇円 │ 〇〇円 │ 〇〇円 │
│   │    │    │    │     │
┝━━━┿━━━━┿━━━━┿━━━━┿━━━━━┥
│  計  │ 〇〇円 │ 〇〇円 │ 〇〇円 │  〇〇円  │
│   │     │     │        │          │
└───┴────┴────┴────┴─────┘

 このような表が、(実際は、もう少しデータはありますが)自社の売り上げ
 のトレンドとか、特異点が出ている場合の対処などを考える基になります。

 もう1つ考慮すべきは、時間軸です。会社形態の塾であれば、社員さんは、
 平均7時間~8時間働いていると思いますが、その時間帯毎の売り上げを考
 えます。

※イメージ(実際は、縦横逆)

┌───┬───┬──────┬───┐
│A校舎 │ 14:00│  0円  │△% │
│   │   │  0円  │△% │
│   │ 16:00│ ○〇円  │△% │
│   │   │ ○〇円  │△% │
│   │ 18:00│ 〇〇円  │△% │
│   │   │ ○〇円  │△% │
│   │ 20:00│ 〇〇円  │△% │
│   │   │ ○〇円  │△% │
┝━━━┿ 22:00┿━━━━━━┿━━━┥
 B校舎

 このような2つの表を基に考えると、大体儲かっていない塾(とかコース)は
 以下のような傾向があるはずです。

 1.圧倒的に営業時間が短い。(お金を頂く時間帯が短い)
 2.効果の少ないところに異常にコスト(時間)をかけている。

 実際は、通塾年数とか色々と他のデータも付加しながら分析していったので
 が、これだけでもかなり自塾の現状を把握できます。

 単純に言えば、伸びているところに集中してやれば伸びやすいということです。

 ファミレスが24時間営業をやめていくのも、かけるコストと売り上げの問題
 からです。いま、ロイヤルホストは、深夜営業をやめる代わりに、ゴールデン
 タイムに、もっと人を含めた投資をすると発表しています。

★2.塾が儲からない理由

 もともと学習塾が儲からない最大の原因は、

   実質的な営業時間が短いこと
   ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 であるとランチェスター経営の竹田先生に教えてもらいました。実際、儲かっ
 ている塾は、大きな箱物と、回転率を重視しています。

 労働集約型の箱物商売ですので、短時間に多くの労働力が必要になります。
 しかし、1日の労働時間が短いとなると、講師は、一回来てのバイト代が少な
 くなります。

 塾としてはトータルでは、大金を払い、しかも必死にバイトを集めていながら
 も、一人一人に渡るお金は少ないため、不満も大きくなりがちです。

 これは、構造的な問題が多分にあるわけです。

 塾を大きくするには、

 1.大きな箱に引っ越す
 2.多店舗展開をする
 3.塾そのものを買う

 という3つの戦略がありますが、その結果、人件費やバイトの問題などが構造的
 に拡大されていきます。また、どのようなビジネスも人口を越えたものは、無理
 ですので、どんどん厳しい状況になっていくことになります。

 ただし大手塾は、それらを考慮した上で、

 ・営業時間をずらす(平日を休みにし、土、日での回転率で稼ぐ。
 ・商品をずらす(客層を変える。)

 などの手を打っています。また、

 ・他塾に商品を売る。(FC、映像、教材など)
 ・ダンス教室、サッカースクールなど、周辺の教育産業に出る。

 という塾もあります。個人塾だと、

 ・他塾へのコンサルタント業

 に出るところもあります。

 しかし一般の中小塾がなかなか出来るものではありませんので、まずは、思い
 切って(将来の)不採算部門を切り捨てるということが第一案となります。

 これは塾業界ではありませんが、某社の社長のお話を聞く機会がありました。
 当時20億くらいの売り上げで、ある商品はその内、5億円を売り上げていたそ
 うです。しかし、今後の流れを見て、価格競争になると負けると考え、なんと
 売上が5億もあったその商品から撤退してしまいました。

 多くの塾は、少しでも「売り上げ」が欲しいため、コスト高になっても様々な
 商品を入れようとします。これが最終的に失敗する遠因となります。

 その会社は5億捨てても、結局、売り上げそのものは、変わらなかったそうです。

 ちなみに元竿は50億を余裕で超えてるそうです。

 自社のトレンドを見て絞るというのも一手です。

★3.営業時間を実質的に長くする。

 もう1つの方法は、営業時間を実質的に長くするという方法。

 さきほど言ったように、平日を休みにして、土・日をフル回転させるというのが、
 一般的ですが、夏期講習を早朝に行うなどの手を打った塾もあります。
 (ウチですが。朝の8時30分に中1,2生の夏期講習が終わり、そこから部活へと
  いう時間割でやったことがあります。)

 また閑散とした時間帯にせめて小学生を・・とする考えもありますが、現在では、
 小学生でも高学年だと、中学生と同じ時間帯でないと来れません。

 2時~7時を小学生に充てている塾は多いでしょうが、小学生が少ない場合は、
 その時間を週に何度か閉めて(社員は休みにして)、土・日に回し、そこで、
 新しいコースや商品を出すという方がいいでしょう。

 また閑散とした時間帯を他の習い事に教室を貸すということを考えている塾もあり
 ます。ともかく、塾にシナジーの効くような別のビジネスという手もあるでしょう。

 ただし、中小塾で力が分散すると大けがをするので、慎重にする必要があります。

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■編集後記

 やばい!

 また来週月曜日に締切が・・。

 どうも締切がこの11月12月は異常に多いです。(-_-;;

  また最近は、(何の拍子からか)県、銀行などと一緒に仕事をする機会が異常
 に増えました。(-_-;;なので、七五三以来のスーツ姿となっています。

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裏編集後記

すいません、時間がないのでざっと推敲して慌てて出しました。面倒なんで7割
くらい削ってます。(^-^;;ほんとの話、詳細な話は、1月の福岡千樹会でデータ
とともにお話しします。すいません。