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■ 学習塾ニュース( Cram school NEWS ) Vol.319(2016/12/30)
  地域No.1学習塾へ   http://j-keiei.com 発行 学習塾経営研究会
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今年最後のメルマガです。この1年、ありがとうございました。

来年も、良き年になりますよう。 本メルマガは、まぐまぐ版です。
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━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━Contents━
タイトル      ◆ 今後のAO入試について ◆
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★1.AO入試の比率は上がる。
 最近多い質問が、「AO入試」についてです。正確には、「学校推薦(指定校
 推薦)」と「一般AO」を分けて考えなくてはなりませんが、二次試験が無い
 もしくは、簡単ということで、まとめてAOと称されることが多いようです。

 答申では、2020年以降の入試改革以降、国立大も3割をAO入試にすると
 いうことが、大方決まっています。

 (以下、抜粋)

 「国立大学協会においては、「国立大学の将来ビジョンに関するアクションプ
  ラン」を策定(平成27年9月)し、この中で、多面的・総合的な評価を含
  む入試改革を推進するとともに、平成33年度までに、推薦・AO入試、国
  際バカロレア入試等を入学定員の3割を目標に拡大することが公表された。」
 つまりAO入試の比率が上がる!=ビジネスチャンス!ということでしょう。

 大学側としては、
  今までの、オールラウンド型の人材だけでなく、特化型の人材を。
  社会に出た際、リーダシップの取れるような人材を。
 などAO入試に求めるものがあるようですが、とにかくAOが新しく入試の柱
 になることは間違いありません。
★2.中教審の提言から
 すると、今からAO
 答申で、気になる事項を書くと、
 1.現在の学力を担保していないような推薦は無くす。
   (必ず高等学校側に何かを担保させる。)

 2.二次試験は、なるべくなくし面接・ディベート・エッセイなどで総合的に
   生徒を判断する。
 この2つになります。
 

 現状の「指定校推薦」については、1の問題をハッキリと指摘しています。
 地方の進学校は、有名私立への進学は、ほとんどがこのパターンではないかと思
 っています。学力的に低い生徒でも「金ヅル」として大学側は受け入れる、生徒
 も有名私立に行ける、一方、高等学校側も、進路先を1つ確保出来るということ
 から、ある意味、トリプル・ウィンの関係で成り立っています。
 指定校推薦を取るための指導を行う塾としては、定期テストの点数を引き上げれ
 ば良いことから、範囲も狭く、出題される問題もある程度、予想されるため、塾
 の実績作りにも、一役かっている制度でもあります。
 しかし今後は、大学卒業要件がハッキリすることで、あまり学力の低い生徒が
 入れられないというジレンマが生じます。
 また願書提出資格がハッキリしてしまうと、そこから大きくかけ離れた学力の生
 徒を取ることは、大学入学のWスタンダードを認めることになるが故、難しくな
 っていく気がします。
 一方、一般AO入試の場合、志望理由書とか作文など今でも問われる内容が、改
 革後も問われます。志望理由書や作文のチェックを行う塾も多いと思います。
 塾としても、作文で大学実績が出るわけですのでありがたい話ですが、これも、
 どうも厳しくなりそうです。
 その理由は、
 「現行の実施要項では、AO入試について、「知識・技能の修得状況に過度に重
  点を置いた選抜基準とせず」と、

  推薦入試では「原則として学力検査を免除し」といった記載がなされているが、
  新たなルールにおいては、いずれの入学者選抜においても「知識・技能」「思
  考力・判断力・表現力」を適切に把握できるよう・・
  こうした記載は削除すべきである。
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 との提言がまとめられたからです。早い話、全ての選抜方法において、大学での
 二次試験が実施される可能性が出てきました。(筆記試験かどうかは分かりませ
 んが。)
★3.今後の推薦入学制度
 答申では非常に長い文章ですが、まとめると

 ・AO入試、推薦入試でも「知識・技能」や「思考力・判断力・表現力」を問う

 ・「思考力・判断力・表現力」や「主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態
   度」を適切に評価する
 
 ということになります。また調査書も変わり
 ・ 教科・科目の学習の状況を多面的・総合的に把握できるよう、学習評価の
   観点別の評価を記載する

 ・ 生徒の特長や個性、多様な学習や活動の履歴についてより適切に評価する。

 などが盛り込まれます。

 ・ 校長等の「推薦書」の中で本人の学習や活動の成果を踏まえた「学力の
3要素」に関する評価を必ず求めることとし、その上で本人の長所を記述す
ることとする。

 と、必ず学力を担保しなければならなくなりました。

 私の感覚では、現状の二次対策にも匹敵するような難しさを感じます。

 すくなくとも今の感覚でAO対策を行うことは、かなり難しくなるでしょう。

 また、調査書に記載出来る例として

 ・ 民間や専門高校の校長会等が実施する各種検定試験等の結果
 ・ 国際バカロレアなど国際通用性のある大学入学資格試験における成績
 ・ 科学オリンピック等における成績
 ・ 各種大会・コンクールや顕彰の記録
 ・ 部活動やボランティア活動の状況
 ・ 生徒会活動の状況
 ・ 留学や海外活動の経験
 ・ その他生徒が自ら関わってきた諸活動 など

 とあります。東大AOの合格者は、世界大会金メダルレベルと言われています。
 かなり高いレベルです。他大学でも、そこまではいかなくとも、このような学校
 とは違った「専門的」な学習や資格を今後、求められるようになるのは、確実です。

 また全国的に評価を統一するために

 ・教員によって調査書に記載される情報量や要素に極端なばらつきが生じること
  のないよう、欄ごとの評価の考え方や記載の多様な例文等を共有する。

 ともあります。高等学校間のバラつきを無くす意味もあるでしょうが、今後は、
 その生徒の実力を判断するために、民間視覚を重視するということがよくわかりま
 す。

 また以下のような内容もありますが、

 ・ 「総合的な学習の時間」等において取り組んだ課題研究等
 ・ 学校の内外で意欲的に取り組んだ活動(部活動、ボランティア活動、生徒会活
   動、その他生徒が自ら関わってきた諸活動、各種大会・コンクール、留学、
SSH(スーパーサイエンスハイスクール)等における特色ある活動等)など
現状の大学生の様子を見ると、文科省が評価するのは、ボランティアと留学、それ
 とSSHのような科学的分野と思われます。
 今後のAO入試対策に関しては、まだ未知数な部分が多々ありますが、学習だけで
 なく生徒の行動や実績まで指導する必要が出てきそうです。

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■編集後記
 やっと最後のメルマガを出せました。この春から自立教室の実験?をやってい
 るのですが、さすがに一人で回すとなかなかですね。

 2017年も、出張2連荘(東京・福岡)とブンブンでスタートする予定です。

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裏編集後記

東京出張が最近多くなりました。東京って、こちらからホテルを取ると上野より
銀座辺りの方が安いんですね。ビックリ・・。(@_@;;