1.学習塾業界について

学習塾業界は、非常に不思議な業界です。
他業種と比べ、社長(塾長)どうしの付き合いが非常に多い業界ですし、コンサルタントも
非常に多い業界です。教育業界として見ると伸びしろもあり、パイも大きいのですが、
塾業界と限定すると、それほどの規模はありません。

そこに非常に多くの塾(コンビニよりも多い)や、コンサルタントがひしめきあっている
のが塾業界です。

また、この業界は、勉強好きな人の多い業界です。

本当に多くの塾長先生が色々と経営に関しての勉強をされています。
中には、塾経営をしながらコンサルタントを兼務している方もいます。

他業種であれば、同業の経営者がコンサルすることはあまりなく、どちらかと言えば師匠と
弟子のような関係です。この状況は、塾業界独特の特徴であり、また業界そのものの脆弱さ
の1つでもあります。

1つの価値観に囚われた人がそのまま大してうまくいかない(いっても時代が違う)ような
ことを広げているわけです。すると、教育を「ビジネス」として考える異業種からの参入に
太刀打出来ないというのが現状です。

2.経営について

(私が知る限り)経営は、「クセ」です。
どれだけ勉強しようが、時間と共に新しく学んだ高揚感が消えれば、結局は、自分のクセで
経営していることがほとんどです。

勉強することは、知識のためでも、知恵のためでもなく、まさに自身の血液を入れ替えるのだ
という気概で行わないと、まったくもって新しいクセは、身に付きません。

そのため同じことを何度も繰り返し「聞く、見る、目の当たりにする」ということが大切です。

学習塾は、1店舗1店舗を考えると大手も個人塾も、それほどやっている内容は変わりません。
しかし経営に関して言えば、まったくの別物です。

大手塾は、経営の組織から見ると、まさに会社です。
しかし異業種からの参入組は、会社の規模もさることながら、組織としても洗練されており、
その組織そのままに「教育」という新しい商品を扱うだけですので彼らの経営力は、現在の
業界大手塾にも影響を与えることは確実です。

3.個人塾に関しての経営の方針

経営に関しては、最初は、他の塾長やコンサルタントから学ぶことも良いと思いますが、
最終的には、自分で判断をしていかなくてはなりません。

同じ商品を入れても、顧客の反応がまったく違うということも、ごくごく当たり前の世界です。

勝つには、(もしくは、負けないためには)自分なりの思考の軸を持って、深く世間を観察し、
自分なりの手を打つことです。

そのためにまず、先にゴールを決めるという方法があります。現実は、あまり意味があるとは
思えませんが今までの塾組織の成長を見ていると一定の法則のようなものがあります。
あくまでも参考程度にして頂きたいのですが、以下、その法則のようなものを紹介しておきます。

大きくなった塾を調べると1つのポイントがあります。それが生徒数2000名。
ますは、これを目指すことです。

2000名が、1つのベンチマークになります。大きくなった塾の多くは、この2000名までに
多くの苦労をして、ここを越えた瞬間から、あれよあれよという間に大きくなっています。

塾を大きくしたい人からすれば、ともかく2000名までをどうにかして持っていくことが、
第一関門です。

(ただし、どうやって2000名にしたのか?というのは、塾によって異なります。共通してる
のは目の時に、勝負しているということくらいです。)

一方、学習塾を自分のビジネスの1つとしか考えてない人、もしくは家業として考えている人に
ついてはなるべく固定費をかけないこと、そして得意技でのみ勝負するということです。

今、高校生が流行っているから、高校部だ!、幼児がどうもおいしいらしい・・よし!幼児だ!
と飛びつく前に、本当にそれをして大丈夫なのか?と考えて手を打つことです。

失敗する典型的な例は、自分の「時給」を考えず、時間と空間が余っているからと、
色々なコースや商品を個人塾に導入してしまうことです。

ロイヤリティという固定費もバカになりません。しかも、それらのコースでどれだけの利益を
上げているか?と調査をしてみると、各コースの利益は、微々たるもの、下手すれば赤字で
他会社にお金だけ払っているということが多いのです。

このような塾は、一度、自分の得意分野に絞るこむことです。

学年でも、指導教科でも、まず絞り込み、それでバツグンの収益が上げれるようにしてから
次の手を考えることが大切です。

負けない経営というのは、非常に大切です。ある漫画家が言っていた「勇敢で死ぬ人は
多かったが、臆病者で死んだヤツはいない。」というのは、傾聴に値する言葉でしょう。

4.何のために経営するのか?

もともと経営という言葉は、非常にあいまいです。
命をかけてやりたいことをするのが経営という言い方もありますが、それらを言う経営者に
限って年齢を重ねると「お金や経営以外」に大切なものがあったなどと言います。

もちろん、人間としての支配欲や名誉欲(悪い意味ではなく)などから大きくなっていく
会社もあるでしょう。光と影があるように、悪いことだけでなく、大きな塾や会社は、
世間に対して多大な貢献もしているということは、頭に入れておくべきです。

様々なことを考慮して、見栄や、嫉妬などを、まず最初に出来るだけ排除して、その中で、
どのような規模でどのようなサービスを誰にするか?そして、自分や関係者、家族とは、
どのような生活をしたいのか?と考えていくと何となくの方向性は決まります。
(理想の1日を考えるという言い方もあります。)

つまり経営もしょせん、自分のためであり、その大前提として世間に役立つものでないと
生き残れないという当たり前のことを認識しておくと、軸もぶれず、結果として息の長い塾
になります。

もちろん軸がぶれることもあるでしょうが、それでも、ずっと考えていると、表面の
ざわめきと違い、奥底ではずっと同じことを考えていたんだと気付きます。
まずは、ここを認識すると、後は、非常に簡単に(というか苦労はあるのですが、
悩みがすくなく)経営していけるはずです。