最近、英会話教室の方々とお話しすることが多くなってきました。
ECCなどのDMを受け取って、英会話教室に参入する塾も多くなってきましたが、
シナジーはあまり感じられていないでしょう?
実は、塾と英会話教室というのは、似て非なるもの。
水と油くらいに溶け合わない、異質のものです。

目次

英会話教室の仕組み

塾と英会話教室は、どちらもスクール業ですが、大きく違うのは、

1.月謝
2.滞在年数

塾の場合、平均年単価が年30万円程度なのに対し、英会話教室は10万円程度です。
また滞在年数は、個別指導塾だと1年8か月ですが、(一斉でも平均4年までは行かないでしょう。)
英会話教室の場合は、平均6年となります。LTVは英会話教室に分がある感じですね。

しかし経営規模は異なり・・

英会話教室の多くが、パパママストアで、年収300万円程度が多いのに対し、
学習塾は、塾長1名の完全個人塾であれば約1000万円程度の年商がある例が多いのです。
これは生徒数が同じでも、月謝単価が3倍と考えると理解しやすいと思います。

私の会った先生方々は、年収で約2000万円程度ですので、塾で言えば、6千万円を
売り上げられる生徒数をお持ちということです。

英会話教室は、意外と生徒数を握っていると考えてよいと思います。
(集客力があると考えても良いということですね。)

塾と英会話教室の徹底的な違い

学習塾で今後、潰れていく可能性が高いのは、個別指導塾と言われます。
その要因の1つに、塾は「知識」を伝達するところという事もにあります。

学習塾は、sの機能の1つとして、知識の伝達と知識の定着を行います。その方法論の違いで、一斉、個別、集団個別などと名前を変えています。映像は、知識の伝達のみを行いますから、知識の定着を自塾で行えない塾は、片手落ちですので当然に潰れます。ともかく、塾としての本質を突かず、外観や見た目だけの塾は、2020年を越えて4,5年で淘汰されます。(ここでは、塾の本質の話は割愛します。)

個別指導は、大学生を多く雇うことになりますが、社会保険の問題、最低賃金の問題、消費税の問題など環境の変化と、人件費で押し潰されることになるでしょう。そこに「なぜ人が必要なのか?」ということを本当に考え切らないと今の個別指導塾の仕組みのままでは、この大きな環境の変化に対応出来ません。
 
それが顕著に現れたのが、ある英会話教室の隣の個別指導塾です。全国でも有名な塾ですが、撤退したそうです。その英会話教室の先生の相談の1つが、その場所を借りても良いか?という事だったのですが、ともかく、かなりの人数がいた個別指導塾がわずか2年でダメになる。これからは、このような状況が全国で、あらわになるでしょう。
 
そもそも【本質を突いている塾】は、あまり「個別」などと言って他人を入れないものです。英会話教室は、「スキル」を伝えますので、当然、そのスキルを持っている人でないと雇いませんし、基本、多くの他人を入れません。塾は、子どもの学力差とか、志望校とかゴールがバラバラなので、ニーズがバラバラ・・なので、多くの講師を入れると考えるのでしょうが、無意味です。高い金で、学歴の高い講師を雇うという方もいますが、それと、例えば塾の仕事の1つである「伝える」というスキルの相関関係は、ありません。学歴の高い講師=その講師が問題が解けるというだけ。伝えるスキルではないので、まさに意味不明です。実際、人気のある講師と学歴には、相関関係がないはずです。
 
英会話教室の本質の1つは、英語を話す聞くという「スキル」を伝えるわけです。なので、そのスキルがない講師は雇いません。また新しいスキルですので、それを身に付けていく子どもの変容も分かりやすく保護者の満足度も高いわけです。またスキルには、卒業(ゴール)がないために長年通ってくれるという側面があるのです。

英会話教室の見えない敵

さてここに来て、この英会話教室も環境が一変しました。近くに大手が出てきた!学習塾が英会話教室を始めた!などと言いますが、それらは全然的外れ。答えはオンライン英会話の普及です。英語ビジネスには、保護者のコンプレックスや、ウォンツを突いている部分があるのですが、それらをうまく包容しているのがオンライン英会話です。
結局、オンライン英会話の弱点を突くしかないわけです。これ以降の話は、プライベートな内容になるので書けませんが、学習塾においても、環境の変化、お客である保護者のウォンツ、ニーズの変化には、逆らえません。自分軸のみで考える塾長が多いのですが、その場合は、大体数年で【静か】になり、10年もすると、知らぬ間に【消えていっている】人が多いのです。
 
それでも英会話教室がオンラインに勝てる部分は、考えられます。現在、英会話教室は、そのスキルを使って、どんどん新しい分野に攻めていきます。しかもオンラインという価格や利便性においては、圧倒的な飛び道具にも対処しようとしています。学習塾としても、色々と考えておくことが大切です。