現在の学習塾業界は?

この記事を書いている時点では、2020年10月の速報まで発表されています。(特定サービス産業動態統計調査 調査の結果)
詳細は、こちらをご覧ください。

業界全体としては、どうにかなるということでしょうが、
内情と言えば、

〇単価の引き上げ、教材費の引き上げ
〇連結決算

で表向きどうにかしているというのが現実。

以前(2013年)、私は、このような記事を配信しました。

その中で、2013年当時の儲けのキーワードが、【個別指導】【難関校】【地元志向】だと書いています。
それから時が流れて今は、【自立管理】【有名校】【海外志向】に変わりつつあります。

九州明光は、FC契約を解除しましたし、多くの個別チェーンが現在、苦労しています。
また価値観が多様化しており難関校を目指すというよりも自分のキャリアにとってのベストを目指す方向に変わりつつあるため、特徴のある大学や、海外の大学への進学が増えてきています。また地元志向も少々残ってはいますが、地元国立だと就職が公務員くらいしかないというのは、既に常識になりつつあるので、公務員志向の人以外は、あまり狙わないのが現状です。

つまり教育の分野もかなりセグメントが激しくなり、何でもやります!というタイプのサービスが敬遠されていっていると言えます。
同時に消費税の問題からバイト代は2022年からは問答無用で10%上がることになりますし、価格競争力での勝負も中小塾には厳しくなります。一方、一斉指導は、セグメントを分け、目標がはっきりしている塾は、堅調に伸びています。

個別指導は、「あなただけの教育」ということで伸びてきたわけですが、経営的な観点から全員が同じテキスト、同じ方法での指導になり、気が付くと1対多が多くなっていきました。これは私は経営側の「手抜き」だと言っていますが、そうした塾は大手塾ですら株価は低迷しています。



儲けのビジネスモデルの点検を

今、多くの企業がビジネスモデルの点検をしています。

私の以前の職場の後輩の話を聞くと(IT関連会社)既に多くのオフィスを閉めて

昨年の2月末からはほぼ在宅。コロナ後も元に戻さないと聞いています。

そもそも一等地だと人が集まりやすいということで一等地に多くの企業は出ていったわけですが
一等地というのは、ある意味、幻想です。(物理的には駅から近いとかあるでしょうが)

そもそも目的を持った人が目指してくるような場所であれば、道路1本離れて家賃が半分になるのであれば

そっちの方が経済的にもプラスです。

塾において100%オンラインというのは非常に特殊なものしか出来ないと思いますが、一等地を宣伝広告費代わり

というのは、最初の立ち上げ時くらいで、後はもう少しシビアに計算して出した方がよかろうと思われます。

実際、一棟借りの先生は、苦労しています。(少子化で生徒数が少なくなっているのも影響しています。)

学習塾の収入は、月謝×人数という単純な公式で成立します。(中には設備費とか何とか取るところもありますが)
ただしこれを増やすとなると、新しく店舗を出すということになりがちです。1校舎で300名集めるのと、
5校舎で300名だと経費を考えると(家賃、光熱費、職員の給料など)私からすれば儲けは3倍は違うと思われます。

小さい塾であれば、校舎を出す以前にすることがたくさんあります。逆に校舎を出すということは、奥の手です。
それで一気に撤退するところも出てきていますが、先を見た投資としての校舎展開をしないと最終的には赤字になりがちです。
(多店舗の場合、最初1校舎の利益で2校舎目以降の面倒を見ることになります。1校舎の利益をシビアに計算した上での展開でなければ、お金を無駄に借りすぎて、銀行だけが喜ぶビジネスモデルに陥りがちです。)

また地域によってビジネスモデルは異なります。

都市部の場合は、店舗展開でもいける可能性がありますが、地方だと県庁所在地など一部の街への集中的な展開以外は、
経費がかかり、足を引っ張ります。1億儲けて1億以上の経費を使うのは、意味がありません。

個人塾の場合は、1校舎当たりの売り上げを上げることになりますが、これは、まだ手が出しやすいところです。
コース設計、商品開発だけでなく、学年を増やすなどでも出来るでしょう。
もう1つの考え方は(私はこちらをお勧めしていますが)非常に絞り切った商品を、絞り切ったセグメントに出すことです。

価格競争にならないくらい絞れれば、高単価な塾になります。安い塾と高い塾は、その後の展開が変わります。

1万円で生徒1万人の塾と10万円で生徒1000名の塾は売上が同じですが、顧客層がまったく違うのはお分かりでしょう。

学習塾を生活の糧としている個人塾は、この時期、ビジネスモデルを点検することです。

特に少子化の激しい地区での経営となると、固定費の削減は当然ながら、私が言う「別の柱」もうまく入れ込まなければなりません。

当然、それに応じて求める人(スタッフ)も変わりますし、求めるお客も変わります。

この変化に対応できないと旧態依然のまま、疲れて潰れることになりかねません。
今年の3月末には多くの個人塾が閉めるだろうと予想されます。特にご年配の先生方々の疲弊は本当に大変だろうと思います。
体が動く間に、少しでも方向転換をするというのが、大切だろうと思われます。