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ごあいさつ

春期講習が終わりました。今週から通常時間割です。春期中は、早い時では7時
には終わっていたので、10時まで体がもつかどうか・・。

全国の塾長先生から、この春の募集状況についても聞いています。
私の周りの塾長さんは、概ね好調ですが、中1生が集まっていない状況です。

全国的に似た状況です。一方、高校部は好調のようです。中学受験は、小6生が
あまり動かないという話は聞きますが、それでも下の学年は動いているようです
ので、悪くないと思われます。

来週は、久々に大阪での千樹会です。まん防が出ていますので夜の会「無し」、
かつ当日に帰れるように「時短での開催」になります。詳しくは、下のコーナー
をお読みください。

地方の塾の生き残り戦略

春期が終わり、知り合いの塾長先生たちから状況をお伺いしていましたが、
生徒数が戻ってきているところが多いようでホッとしています。

全体的には、

・昨年より生徒増が3割
・昨年並みが3割
・昨年以下が3割

という感じですが、問題は、「生徒増となった塾の9割が新中1生が動かない」
と言っていることです。

集客対策は取られていますが、地方の中学生は、中3の運動会以降でなければ
動かない!くらいに思って、無理せずに、今、動いている学年をとにかく集める
ということが大事だろうと思います。

業界誌にも、やっと都市部と地方は違うというような記事を記載するようになり
ました。ただしまだ「都市から見た地方」の状況ですので、まだまだ実際の姿と
はかけ離れているというのが現実です。

昨年のコロナ禍で、多くの塾において生徒数が横ばい、もしくは減少しているに
も関わらず、売り上げが上がっているところがありますが、それは単価を上げて
いるからです。

しかし地方だと一定金額を超えると保護者からそっぽを向かれてしまいます。
下手すると塾が潰れるレベルまで行きかねません。(地方の場合、転がると本当
に数年で潰れます。)

クラブハウスでも単価を上げろ!という話はしますが、本当に地域全体が経済的
に苦しいところもあるため、価格戦略は非常に慎重に行うべきです。

しかも地方は、高校入試が全入になっているため、今まで通りの
「単価が高い塾=良い塾」という図式が成立しません。

無条件で大手を選ぶ保護者は、「情弱」と言われる状況にあり、どの保護者も
狭い範囲での口コミと友人の評判を頼りに塾を決定しています。

また塾の生命線?とも言える合格実績にも効果が薄れてきており、実際、私の塾
では3年前から実績を積極的には出していません。

しかし出していない方が、保護者が探して来てくれる傾向にあります。
(地域密着型なので他の生徒に聞くと100%分かりますし、他校舎の実績を丸め
た数でなく、校舎毎の正しい数が分かりますしね。)

FC塾は、先生も地元でないとか、価格が高い(地方に無いような様々な名目での
費用が発生。)ことと、意外と地方の個人塾のサービスのレベルが高いことから、
かなり苦戦すると考えています。

物には定価がありますが、サービスには定価がないためため「地域差をどう戦略
的にとらえるか?」ということが全国展開している塾には大事なポイントになろ
うと思われます。

さて、地域密着型の塾の場合、お客様は、基本的に「塾長」を買いに来てくれる
わけですので、塾長が働きやすい環境をどう整えるかということが生き残るポイ
ントです。最近言われる「リサイズ」も有効な手段だと考えています。

◎敢えて法人格を捨て個人成という選択もあります。

他人を雇わないという場合は、法人になる意味が薄れている今、あまり関係ない
と思われます。(助成金などの絡みで別途個人事業という手もありますが)

◎もう1つは、軸足を少しズラすことです。

顧客(保護者)から月謝を頂いているわけですが、経済的に弱くなっている地域
の場合ですと、

◎「自治体」とどう絡むか?「学校」とどう絡むか?

ということは、真剣に考えるべき事柄でしょう。地域に根ざしているのであれば、
様々な提案において問題なく役所でも話を聞いてくれます。

ネット塾も増えてますが(私も2つ所有していますが)正直、まだ成功している
塾はありません。それよりも「教育」を武器に地域で、自分のドメインを広げて
いく方が、最終的に成功しやすいと考えています。

◎地域での無料塾の請負
◎外国人への指導
◎若者に対する就職サポート

などまだまだ地域には、「教育」としてやるべき分野が残っています。

また個人塾としての生き残りをかける場合は、

◎何かに特化して高い月謝を頂ける塾(?)

になるようにアドバイスされますが、そもそも地方でフェラーリがそんなに売れ
るわけでもなく、私の住む地域のように、フェラーリどころか乗用車でもなく軽
トラが一番必要とされるところもあります。教育も同じで高校入試の状況など、
地域によって異なります。

そもそも成績の良い子が塾に行っている方が、不思議という地域すらあるでしょ
う。そのような地域差を無視した話は、一度、脇に置いて、ご自分で考える必要
があります。

◎地域には地域の戦い方があります。

私がいつも考えるのは、

 ●誰がお金を出してくれるか?
  →地域の方々の所得が下がっているなら自治体やその他の機関はどうか?

 ●この地域の顧客のニーズはなにか?
  →今までのように授業を売りに、某映像を入れたところで大赤字。それより
   も生徒が本当に欲しい物は、授業なのか?環境なのか?

という2点です。教育そのものをドメインと考えば、まだまだやれることは
あります。この潮目の時代にこそ、既存の考え方から脱却することを模索して
下さい。

今週アクセスの多かった記事ランキングです。

第一位:個別指導塾と自立学学習塾の問題点
第二位:現在の学習塾の実情
第三位:生徒減少への対応策

編集後記

毎日クラハで話をしています。中には??と思われる方もいて、ある種のエンタ
ーテインメントかと思うような塾講師もいます。

さて塾経営においては、私の校舎は、おかげ様で満席となりました。しかし他校
舎が、まだまだですのでフォローに入ろうと思います。行列を作るというタイト
ルでのメルマガでもお話しましたが、今はどう行列を作るか?ということは、
地方では、運営において大切なスキルになっている気がします。

現在、まん防が出されコロナ禍の感染者数も減りませんが、夏にはオリンピック
があるため必死ですね。しかし旅行業界や飲食業界は、塾業界の比にならないく
らいダメージを受けています。

私の地域では、まだ飲食業で閉店したという話はあまりありませんが、地域に
よっては、かなりの閉店があるようで、これまた寂しい話です。

コロナがあけた後、本当に寂しい街になっていないか心配です。

風の時代と言われますが、とにかく様々なことにおいて潮目がはっきりしてきた
感じです。塾もいよいよ振り分けが激しくなってきた気がします。

地方よりも都市部の方が、その振り分けは激しいという話も聞きました。

この1年も頑張っていきたいですね。