次回の千樹会も「web戦略」がテーマです。
最近は、Webの使い方もある程度、浸透してきていますが、本当にそれが有効かどうか考える必要はありそうです。
結論から言ってしまえば、
今は安くないし、効果も少ない。 ご自分で継続して出来るのであれば、どうぞ
ということです。
学習塾でWebやネットを使用する場合、大きく2つの目的があります。それは、
生徒募集
講師募集
です。それに対して行うことは、
塾紹介のポータルサイトへの登録
その後、
SEO対策
リスティング広告への出稿
自社Webでの募集
講師募集サイトへの登録
こんなところでしょうか?
しかし実際は、塾は、地域密着型ビジネスですので、ネットと相性が良い部分だけではありません。
現実に私の知り合いの塾は、敢えてWebを閉じました。
まず塾の投資として考えると、「対費用効果」が良いかどうかとなります。
他の媒体(チラシ、DM、ラジオ、TV、立て看板、捨て看板、小冊子など)と比べての判断も必要です。
Webは、最近はワードプレスなどを使用すれば簡単に作成できますし、TOPデザインだけを業者に頼み、後の更新は、自分で行うという方も増えてきました。そういう意味では、非常に安価になってきています。
一方、SEO対策やリスティング広告などは、自社ですることも可能ですが、それを生業とする業者も多く存在します。まだまだ、それなりにスキルが求められるのかも知れません。
リスティングに関しては、詳しくは言えませんが、かなりの広告の価格を調べました。
私の友人や知り合いの塾なども全て調査しましたが、多くは、1クリック200円程度からとなっています。
しかもこれがクリックされるためには、表示回数の問題があり、まともに動かすには、多分、年間数百万円~程度のお金が必要となるでしょう。
もちろん、業者が言うように、表示エリアを絞り、安価で行うことは可能ですが、クリックから成約までは、確率論ですので、最終的に表示回数が多いところが勝っていくことになります。
(もちろん、コンバージョン率や成約率などの議論があるのも知っておりますが、常識を覆すような抜群の成約率を達成している会社はゼロでしたので、議論上、一般的な確率論が理論上、優位に立ちます。)
すると安い金額で(1日1万円以下)リスティングをしているとお金が出ていくだけであまり効果も期待出来ませんし、
もとを取るのに時間もかかることになりますので、塾としては退塾率対策や在籍年数の延長などの対策が必要でしょう。
一方、ポータルサイトは、「登録はタダ、資料請求でお金が発生」という仕組みが多いのですが、これも問題が多く、よく聞くのは、エリア外からの問い合わせが異常に多くなるということです。
直接、ある会社と話をして「エリア外からの請求はカウントから外せないのか?」と尋ねたところ、「引っ越し等もありますので・・・」ということでした。ま、契約はしませんでしたが。
この20年そのような例(引っ越し等で入ってくる)はありませんし、単に資料を見たい方(同業者)か、サクラかも知れません。どっちにしてもあまり経営に関係あるとは思えません。業者は、利用者の懸案事項を無くすべきですし、対策も簡単なはずですが(エリア外からの請求不可にするだけ)、それをもしないということ自体に、疑問が残るシステムです。
また、塾サイドからすれば、自塾の資料請求の後にお薦めとして他塾が出てくることに不満を持っています。
(ただし保護者等の利用者からすれば、OKでしょう。業者としても他社の請求をしてもらえれば、さらに儲かります。この部分については、個人的には、特にシステム的に問題があるとは思えませんが・・・)
中には、最大の懸案事項は、「勝手に塾を載せることだ」という人もいます。
敢えて目立たない戦略を取っていても、勝手に載せてしまうというのです。業者は、タウンページや、Web検索でデータを引っ張ってくるのでしょうが、ある塾長は、弁護士を通じ消させました。塾を勝手に載せ、ビジネスをするのであれば、問題でしょうし(形の違った営業妨害となる可能性が)、消せ!と意思表示をして消さないとなると大問題でしょう。
結局、この手のポータルは、最終的には、契約までを請け負うフルフィルメントへと変わると思っています。
どちらにしても、ネットでの生徒募集は、年々かかる費用が高くなっている
効果も年々下がっている。
ということは言えるでしょう。また塾を検索する際に都市部ですと、まだキーワードで検索するでしょうが、地方だと固有名詞での検索になります。するとSEO対策もそれほど必要なく、どちらかと言えば、コンテンツ重視に動いているのが実情です。
またリスティングも全国規模のFC塾などは、まだしも、地域ローカルの塾の場合、その費用で他の媒体を使う方が賢明かも知れません。またFBなどの広告(これはまだ安い)もありますが、これでもリーチはあれど、契約まではなかなかというのが現実でしょう。
講師募集においては、人づてに講師を集められたらベストでしょうが、そうでない場合、自社Webを使うことは考えざるを得ない。ただそれも有効なアクセス数(塾のある地域からのアクセス数)があれば、可能かも知れませんが、そうでない場合は厳しい気がします。そのため、募集サイトへの登録、ハローワーク、求人情報誌などを使うしかないというのが現状でしょう。