今回、久々にセミナーを奈良で実施しました。
多分、業界向けセミナーでお話しさせて頂くのは、小林先生、中土井先生と並んで東京でお話しして以来ですので、5,6年ぶりでしょうか?

塾は、10塾あれば10通りの考え方や、環境がありますので、なかなか「ひとくくり」でお話しすることは難しいのですが、開業時から懇意にして頂いている、「進学塾SORA」の上江洲先生からのご要望で、お引き受けさせて頂きました。

もうご存知の方も、いらっしゃるかと思いますが、上江洲先生は、大手塾を退職後にご自分の理想の塾を創り上げた業界でも有名な先生です。その教務力や教育に関する視点は、高い評価を得ており、今でも多くの塾経営者が敬愛している先生です。

その先生から、「開業セミナー」のご連絡が来たのは、9月初旬。最初は、お断りする予定でしたが、twitterで、多くの塾経営者、塾をこれから開業したい方が集っており、出来れば、このような方にお話しをしておきたい、そこで経営に関しては、私にお願いしたいという話でした。先生とは、10年以上前にネットで知り合ったのですが、今、ご自身が、やはりネットで若い経営者の皆さんにお返しをしたいということで、「それなら」と、柄にもなくお引き受けしたわけです。

ネットでは教育、教務の強いイメージのある先生ですが、当然ながら経営の部分もしっかりとお考えです。
自分一人での個人塾ですと、実は、経営のような視点はあまり必要ないわけですが、他人を雇うとなると、どうしてもこの部分の比重は高くなります。自分の信念や考えが正しいから、スタッフが我慢してくれると他人に甘えないことが一番大事です。
スタッフには、食えるだけのお金を渡すだけでも大変なのはわかりますが、他の会社でなく、自社に来てくれたわけですので、全てのスタッフには、三顧の礼を尽くすように接していくべきです。

実際、私が一番、感心したのはスタッフの皆さんの優秀さです。
細かい動きを注視するわけですが、その辺りの大手企業にも負けないくらいのきちんとした動きでした。
2人の大学生もバイトとして参加していましたが、多分、その辺りの個人塾や中小塾の塾長よりもしっかりしているのではないか?と思ったものです。

学習塾は、サービス業ですので、「今だけ、ここだけ、あなただけ」ということが基本ですし、生徒と先生とのコラボで、塾の空気は作り上げられます。その際、塾の空気を作るための暗黙知が、態度であり、哲学でありということになります。

これから塾を開く先生方々は、まずはご自分で塾をされることになりますが、最初から、自分の考えや哲学が他人の共感を得るのか?それに生徒や地域の方々は賛同してくれるか?その価値をとことんまで守り通せるか?と自問自答して頂きたいと思います。
もちろん、生徒・顧客に対しての考えがどんどん変わることもあるでしょう。年月とともに、理想というのは、近づけば、近づくほど、離れていくものですので、どんどん変わるのが当たり前です。

しかし最初にしっかりとした軸を作っておかないと、ちょっとした風に流されたりしますし、調子の良いときはいいですが、調子の悪い時には、変な連中に捕まったりします。特に塾は、プロとアマの区別が難しい業界ですが、調子が悪くても軸をぶらさないこと、調子が悪くてもお金を頂けるくらいの価値ある授業を提供出来ることがプロ講師の大前提です。

一方、既に開業されている先生方々にとっては、生徒数の問題が切実です。歳をとるにつれて、塾も地域の人たちには、飽きられてきますし、少子化の問題もあります。その場合、塾長の視点は外に向いていることが多いのですが、結局は、今いる生徒をもう一度見つめ直すことが、一番大切です。なぜ来てくれてるのか?なぜ、自塾に通ってくれてるのか?そこを自問自答してもらえれば、必ず生徒数は増えていくものです。気が付くと生徒を単純に「1名」としてしか見ていない自分がいるのではないでしょうか?あくまでも「〇〇くん」「〇〇さん」という他に代えられないお子さんを保護者の方からお預かりしているのですから、その生徒さり一人・一人をもう一度満足させるということを考えれば、生徒はおのずと増えていくでしょう。

セミナーでは、様々な小技もお伝えしましたが、多分、本には載っていないようなことばかりだと思います。
本は、「こう書けば読者が喜んでもらえる」というフィルターが先に入っています。真実でも、読者が良しとしそうにないことは、先に外されます。読者の受け入れられる範囲でしか書いていないことが多いものです。

それよりも、ご自身で動き、実験をしているくらいのつもりで、どんどん手数を出して勉強することです。

本を読むということは、疑似体験をし、それだけ考えるということですが、ノウハウ本は、考えることをさせてくれません。
これはお金の無駄です。それなら、どんどん動いて欲しいと思っております。

セミナーでは36pの資料を作成してお話ししましたが、途中、休憩15分取ったことを忘れ、時間配分がちょっと狂ってしまいました。申し訳ありませんでした。

なお、レジュメに関しては、ご興味のある方は、塾名・氏名等お書き添えの上、セミナー資料希望と問い合わせして頂ければお送りします。